第18回小象フォーラムが開催されました。

投稿日:2015年6月14日|カテゴリ:小象ニュース, 小象ニュース2015

6月13日(土)ホテルプラザ菜の花にて、第18回小象フォーラムが開催されました。

講演  演題 『コレステロールと中性脂肪の話』

   演者 篠宮正樹理事長

脳梗塞や心筋梗塞の原因となる動脈硬化症。その原因としての高コレステロール血症、高中性脂肪血症について解説。禁煙や運動などの生活習慣の改善に加え、血液中の脂質も適正に管理し、動脈硬化性疾患を予防することが大切です。

また、家族性高コレステロール血症は遺伝子異常によりコレステロールが高値となり、若くして心筋梗塞などの動脈硬化性疾患が発症する病気です。早期に診断しきちんと治療を開始すれば、発症を予防することがでるということを皆さんに知っていただきたいと思います。

  特別講演

   演題 『遺伝子診療の最前線 - アルコールと肝も含めて』

   演者 野村文夫先生

      (千葉大医学部付属病院 マススペクトロメトリ―検査診断学・遺伝子診療部特任教授

    ちば県民保健予防財団学術顧問)

遺伝子診療とは何か、その際に配慮すべき事項について。また、遺伝子関連検査の現状と、千葉大遺伝子診療部で実施している遺伝カウンセリングについてなどを解説されたあと、実際の症例についての話となりました。アンジェリーナ・ジョリーさんが乳がんを予防するため、今はまだ健康な乳房の手術を受けたことで遺伝子とがんの問題は広く認知されるようになりましたが、日本人でも同じ遺伝子を持つ人はおられて、乳がん、卵巣がんの早期発見や予防に遺伝子診療が役立っています。

また、糖尿病などの生活習慣病は多数の遺伝子が関与しており、疾患の発生には環境要因が大きく関与します。そのため、現在一部企業で遺伝子を解析してリスクを診断するサービスを行っていますが、その結果をただしく判断するのは難しく、誤解を受けやすいのではないかと考えられます。

また、アルコール性肝疾患の診断に役立つ検査として、現在保険適応があるのはγGTPと赤血球のMCVですが、あたらしいマーカーとしてCDT(糖鎖欠損トランスフェリン)が有用で、現在保険適応となるよう働きかけているところ、とのことでした。

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講演の詳しい内容は次の会報でお読みいただけることになっています。

どうぞお楽しみに。