理事長ご挨拶

生活習慣病防止に取り組む市民と医療者の会(愛称:小象の会)

理事長ご挨拶(2022年3月) 篠宮正樹

私は、1975年に千葉大学を卒業、2011年よりNPO法人生活習慣病防止に取り組む市民と医療者の会(愛称 小象の会 2005年設立)の理事長を務めています。市民と医療者が協力して啓発活動をしています。

 

【小象の会のこれまで】

フォーラムの開催 折々のテーマを市民目線で企画し、趣旨に賛同する専門家を講師に迎えて年2回の小象の生活習慣病予防治療フォーラムを、計27回まで開催しました。現在コロナ禍で対面の講演会は休止しています。

出前講座・講話 役員・会員が直接、小中学校・事業所に出向き、「人間の身体の素晴らしさを知り、自尊感情を高めること」の必要性や、タバコの危険性、糖尿病の知識などの講演をしてきました。小中学校での講話をして、子ども達から寄せられた「話を聴いて、生まれて来てよかったと思った」との趣旨の沢山の感想文は、私の宝物です。

ロッテ球場での啓発活動 球場での啓発で、多くの市民と直接対話することができました。資料配布・体力測定・健康相談・バックスクリーンでの広報などの活動を行いました。これも現在コロナ禍で休止しています。

会 報 講演会の内容や当会の活動を記載した年2回の会報を第32号まで発行できました。内容を当会のホームページでご覧ください。主に当会理事・柳澤葉子医師の原稿を「小象の糖尿病通信」として第8号まで発行し、毎年の「市民のための糖尿病教室」で配布しました。

書 籍 命と身体の素晴らしさを伝える目的で、童話作家である小倉 明 当会理事と篠宮との共著で2冊の童話を刊行しました。新聞報道もなされ、2冊とも千葉県課題図書に選ばれ全国に普及しました。

千葉日報連載 2018年10月から、身体の素晴らしさや生活習慣病の知識について、当NPO会員や専門家が読者に語りかける記事を、千葉日報に2年間70回掲載できました。内容を当会ホームページでご覧ください。この内容を書籍『小象の 元気!で行こう』として3,000冊作成。千葉県医師会役員をはじめ、県内各種医療団体・全ての千葉県立高校・全ての千葉市立小中学校・千葉大学医学部4年生全員などに寄贈しました。

千葉県立保健医療大学・龍野一郎学長とともに企画、専門医が執筆した「コロナ禍の羅針盤」が、2021年10月から、千葉日報紙上に短期連載されました。これもブックレット『コロナ禍の羅針盤―医療現場からの情報提供とアドバイス』として7,000冊作成しました。同じように各方面に寄贈中です。

書籍『小象の 元気!で行こう』の内容が千葉県立高校の道徳教材に

書籍『小象の 元気!で行こう』が2022年度から使われる千葉県立高校の道徳教材で紹介され、その第3話と第70話の内容が掲載されました。このような形で役立つことは私たちの大きな喜びです。

 

【小象の会のこれから】

以上のようにコロナ禍でも、皆様の協力により会報29号から32号までを発行し、書籍『小象の 元気!で行こう』とブックレット『コロナ禍の羅針盤』を発行できました。これからも、会報の発行や新たなブックレットの作成も企画しています。コロナ禍で対面の講演などができない状況で、少しでも印刷物の形として皆さまにお届けすることで、生活習慣病の予防啓発に努めます。ホームページの充実も図ります。さらに他にどのような発信方法が考えられるか検討します。

現在、孤独に陥っている人々が増えています。しかし情報技術の進歩により、居ながらにして人とコミュニケーションを取ることができます。そのような場が増えてきました。このような活動をお手伝することで、孤独の解消と元気の維持、ひいては生活習慣病の発症・進行予防にも繫がればと思っています。

大学などの研究者の人たちの努力で明らかにされてきたいろいろな知見を、市民にしっかり伝えることが、私たちの使命だと思います。その意味での市民の科学(ポピュラーサイエンス)の中で、「市民の医学」を提唱し、さらにいろいろな分野で市民に伝えていきたいと思います。これまで元気に暮らせてきた恩返しと考え、NPO役員の多大な協力のもとに活動中です。「使命」は「命を使う」と読めます。私は自分の命をそのように使いたいと思います。

 

理事長 就任時ご挨拶

2011年6月に、金塚 東 初代理事長から引き継いで、皆様のご推薦により理事長に就任しました篠宮正樹です。よろしくお願い申し上げます。金塚 東 前理事長は、これまで熱心に小象の会を導いて戴き、ここまで発展させてくださったことに感謝申し上げます。
急激な食生活と社会環境の変化によって、近年わが国の生活習慣病の発症・進展は極めて深刻な状況であり、医療界にとどまらず、社会にとって大きな課題となっております。なかでも糖尿病とその合併症は多くの困難を患者さんとその家族に与え、発生する医療費の増加は国家的問題となり、また病気がもたらす有形無形の社会的損失は測り知れません。すでに国・自治体・医療機関などで生活習慣病へさまざまな取り組みがなされておりますが、病気の特性から医療者と患者間の関係だけで問題を解決するのは非常に困難です。それぞれの地域で官民あげた知識・情報の普及啓発と実践的な活動が求められています。
そこで、2005年9月に千葉県内の医療従事者が広く市民とともに、新しい観点から生活習慣病の防止に取り組むための組織としてNPO法人「小象の会」を設立し、活動してまいりました。当会は行政・学校・企業など既存の組織にとらわれない横断的な立場から、さまざまな活動を展開してきました。

2010年9月26日には「小象の会5周年記念フォーラム」の開催致しました。詳細は会報10号に掲載されています。また日頃、小中学生に「あなた達は素晴らしい心と身体を持って生まれてきた」とう講話を続けており、その内容を啓発童話「未来マシーンにようこそ」として発刊したところ、2011年度千葉県学校課題図書に選定されました。
今後も、ロッテ球場などでの街頭キャンペーンや、講演・講話・講演会の開催等々を続行して参ります。さらに千葉県版糖尿病療養指導士(CDE-Chiba)の認定制度の創設も、千葉県医師会・千葉大学・千葉県糖尿病対策推進会議と共同で企画しております。
今後も、生活習慣病防止条例に制定推進・頻回の講演会・千葉県との共同事業(自転車推進など)、積極的に活動を展開してゆきたいと思います。
それには、会員と賛同者のご支援が必須です。どしどしご意見を戴きたいと存じます。
生活習慣病の防止に、皆様とともに歩んで行きたいと存じます。

理事長イラスト2011年8月
特定非営利活動法人 生活習慣病防止に取り組む市民と
医療者の会(愛称:小象の会)

理事長  篠宮正樹